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第5話 横浜市の効果検証

浦安市が導入しようとしている「活水器」について、横浜市水道局の見解は次の通りデス。

横浜市「市民の声」(2019年7月):「横浜市の活水器導入について」
本格的な採用にあたっては、さらに継続的な検証も必要と判断し、水道局独自で検証を続けましたが、この検証では、配水管内の水道水の残留塩素濃度減少防止の効果はほとんど確認することができず、また、配水管内の赤錆の変化についても確認ができませんでした。

水道局としては、共同研究時の検証結果も踏まえ、水道水の残留塩素濃度の低減化や配水管の延命措置などの活用を想定していましたが、これらの検証結果から、当該工法はその設置条件により、効果が確認できない場合もあるということが判明したため、配水管への当該工法の導入は断念しました。

ここまでハッキリ書いてあるんだ!
浦安市が導入する理由がますます分からなくなってきた。

その通りデス。浦安市はこの検証結果を取り寄せて再検討する責任があると思います。
ただ、横浜市の検証報告は分量が多いので、浦安市が都合の良い内容だけ切り出して「問題ない」と主張する可能性もありますネ。

そうか……市民も資料に目を通した方が良さそうだね。

そうなのデス。知識は力です。
「反対を表明する」には第4話までで十分なので、第5話は「どうしても専門的な話が聞きたい」という人向けの内容になりマス。よろしいデスか?

がんばってみます……

横浜市水道局の検証体制

第3話で少し触れたように、横浜市水道局は検証を2回行っているのデス。
そして第1段階の検証は「効果あり」、第2段階の検証は「効果が確認できない」と、真逆の結果になっているのがヤヤコシイところデス。

  1. 第1段階検証(民間企業との共同研究)
    報告書(2013年)[効果あり]
  2. 第2段階検証(水道局の独自調査)
    報告書1(2017年)[効果確認できず]
    報告書2(2018年)[効果確認できず]

どうしてそんな不思議なことになったんだろう?

第1段階の検証が「水道局OB企業との共同研究」という点に注目デス。
関係者を見てみましょう。

横浜市資料より。水道局が民間企業と共同研究を実施する協定書 水道産業新聞 2013年12月16日より。共同研究先は水道局OBの企業

うわ、共同研究先は水道局OBばかりですね。
元水道事業管理者、元水道局理事、元水道局部長……

ええ。
さらに、このOB企業は「活水器」の販売代理店です。
この状況で「公正な実験が行われた」と考える人がいたら、能天気にもほどがありマス。

そこまで言っちゃっていいの?

良いのデス。
民間企業との共同研究は「研究者自身の判断に金銭等の提供元が有利になるようなバイアス(偏り)が生じる」という国立研究開発法人からの指摘もありマス。
それに、この結果を口実に使われて、JICA(国際協力機構)が途上国に活水器を設置する羽目になりました。

いや、でも、疑うなら証拠がないと

報告書を読む限り、第1段階検証はマトモな研究からは程遠いデス。
それに、厚生労働省も本件に注目していて「問題視はしていないのでしょうか」と、厳しい質問を出しています(2014年)。

こんな厳しい指摘を受けているんだ

ええ、他にも外務省から問合せを受けています。
外務省が地方自治体の水道局の研究発表に興味を示すなんて不自然デスから、JICA案件で設置国から「苦情」があったのかもしれませんネ。

なんだか想像以上に大ごとだな

はい、一大事です。
このままだと浦安市もトラブルに巻き込まれてしまいマス。