第4話 事後検証は行うのか?

この装置を民間に売るときは「事後検証(1年後検証)」で効果判定を行ない、効果がなければ返金という契約になっているようデスね。

浦安市はどうなんだろう?

まだ契約していないので分かりませんが、他の地方自治体で同じ装置を買った時の物品売買契約書を入手したので、それを前提に話を進めますネ。

地方自治体の物品売買契約書

ん、今サラッとすごいことを言いました?

暗黒通信団の諜報部はCIA並みの調査力がありますのw

契約書は2ページの簡素なもので、設置後の効果検証や、効果がなかった場合の返金は書かれていませんでした

どういう事?

要するに、設置直後の検品さえ通過すれば、あとは効果があろうとなかろうと、販売業者に補償を求められない契約内容だったのデス

????
「サビを防ぎます」という装置なのに、サビを防いだかどうかを調べないんですか?

契約書ではなく保証書の方には「効果が低下したら交換」とありますけど、事後検証しなければ効果が低下したかどうかも分かりませんね。
それに「効果がなかった」とわかっても「製品を交換するだけ」デス。

えーっと…………………
僕はこういうことに不慣れなので、間違っていたら教えてほしいのですが。この装置は「理論はないが効果はある」という説明で売っているんですよね?
それなのに、契約書に事後検証や補償項目がないなら「効果を見てほしい」という謳い文句はどんな意味があるのでしょう?

その印象は正しいと思いマス。
浦安市がどこに魅力を感じて購入するのかワタシにもさっぱり分かりません。煽り抜きでぜひお伺いしたいところデス

すごく聞きにくいんだけど、こんな契約内容だったら、他所でもトラブルが起きているんじゃないですか?

なってマス。トラブル事例を紹介しますネ

4-1.トラブル事例1

一つ目は関東の大型団地です。ここ数ヶ月インターネットで「誹謗中傷合戦」が繰り広げられている渦中の案件ですネ。
朝日新聞の「論座」で取り上げられたので、業者も必死になって火消しをしているようです。
すごく複雑な話なので、順を追って話しますネ

なんだか怖いな

この大型団地には32棟の建物があります。ここの建築委員が「活水器を入れたのにサビ水が出ている」というブログを書いたのですが、販売会社の圧力でブログが削除されてしまったのです!!!

それは深刻なトラブルじゃないですか

販売会社は「この装置の効果があるのは32棟中の1棟だけ。ブログ主は設置してない棟なので、効果判定の対象外」という反論をしたんデス

……いちおう、筋は通ってるのかな?

そこで「論座」の写真をよく見てほしいデス。団地全体、つまり32棟全てに送水する設備が写っています

「論座」より引用。赤丸筆者

右側の写真は、上側に太いパイプが1本、下側に細いパイプが分岐してますよネ?

えーっと、はい、そう見えますね

つまり、上側が「上流」、下が「下流」です。
活水器は「各棟に分岐する前の管」に付けられていますよね。どのあたりが「特定の1棟に設置」なんでしょうネ?

うん? 難しいな。上から流れて、下で分岐して。活水器は上についているから……
ああ、確かにこれは「1棟だけに効果」というのは変ですね!

ですよね〜
これ以上は情報がなくて何とも言えないですが、販売会社の「効果の説明」は、誤解を与えるものらしい、ということはわかると思いマス!

4-2.トラブル事例2

提供資料

2件目は北の方のマンションの話デス
ここでは2018年に活水器が設置され、2019年の1年後検証で「効果が見られない」という報告書が出されました

返金になるパターンですね?

ところが、返金はされなかったのデス!

ええっ?!

実は、北の方では2018年に大きな地震がありました。販売業者は「地震に伴う停電で給水管内に影響があったから、効果検証は再実施」という申し出があったそうです

「悪化したデータはなかったことにして、次に良いデータが取れたら評価してください」ということかな?
それは筋が通っているのでしょうか?

全くの無理筋です。悪化の原因が地震だというのは業者の想像だけで、実験データも参考資料も何もなかったそうです

住民はよくOKしましたね……

不思議ですよね、ぜひ住民の方から話を伺いたいデス

4-3.トラブル事例3

http://www.cml-office.orgより引用

最後は西の方のマンションの話デス。
ここでは2018年に活水器が設置され、2019年の1年後検証で業者から「効果あり」という報告書が出されました

それのどこに問題が?

上図のような活水器の設置ミスがありました。1系統には活水器の効果はなかったはずなのに、報告書では1系統でも「防錆効果あり」という結果になっていたのデス!

そんなバカな?!

このマンションでは「数値が不自然」「報告が虚偽ではないか」として、全額返金になりました。
理事会の皆様はたいへんご立腹とのことデス

あれ、業者は「クレームは1件もない」と主張していませんでしたか?

ご指摘の通り、それも不思議です。
たぶん「クレーム」の定義が普通の会社と異なるのだと思いマス

3件とも「たまたま、うっかり」というものではなくて、潜在的にトラブルが起きるような方法で……
……なんだかコメントするのも怖くなってきました……

4-4.トラブル事例総括

まとめると
「事後検証でトラブルになっている建物がある」
「浦安市に事後検証の契約がないなら、トラブルが発覚する仕組みすらない」
ということになりますネ

いや、それはマズいでしょう?

分かってくれますか。嬉しいデス
活水器は「理論のない不確実な装置」なのに、契約書は「事後検証や保証が不十分」なものになっている可能性が高いデス。
こういう契約が何を意味するのか、市役所の人に想像力を働かせてほしいデス

怖すぎてコメントできない……